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重なるハサードマップ

自分の居場所を知る

最近の雨は、尋常じゃないですね。
特に新しい造成地に建築をお考えの方は是非とも、国土交通省の重なるハザードマップを確認してほしい

使い方はYouTubeなどでも確認できますが
簡単に載せてみます。

まずは、調べたい住所を上部の検索欄に入れ

災害種別の地形分類を選択して

土地の特徴・成り立ち
・自然地形
・人口地形
の両方を選択いただくと、現状の地形情報が出ます。

情報リストの
標高・地形
・陰影起伏図
を選択いただくと、より土地の凹凸がはっきりします。

確認したい場所を直接クリックすると
小さなウィンドウに解説が出ます。

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弊社のある、大津市近郊を参考に画像貼りました。
弊社の建物の地盤は切土であることがわかります。
急傾斜地域であったため、鉄筋コンクリート造で建物は設計し
一部、土留めを施しました。

設計関係者はよく使うサイトですが
建築済みの方も、万が一の災害予備知識と
ご自分の建物の構造を知る上で一度地盤のチェックもしてみてくださいね。

建築設計事務所は、土地の状況に応じた建物構造を考慮いたしますので、
建て替えや新築をお考えの方は
是非、地元の設計事務所にご相談ください!

追記:
国土地理院のこちらのサイトからも
古い地形図を見ることができます。

体育館と保健所

2021年も2月に入り、
そろそろ花粉症対策を、本格的に行わなければならない季節となった。
早くもテッシュ片手に
昨年末、改修設計を契約させていただいた作業が佳境に入っている。
小規模ながら7年ぶりの公共受注の仕事となる。

昨年は、新しいウィルスとの共存に
真っ向から向き合う覚悟を必要とされ
誰もが生活の変化を余儀無くされたことだろう。
この出来事は、私の思考にも大きな衝撃を与え、
今まで培ってきた価値観を一から問い直す機会ともなった。

自分自身の問いかけに結論や回答を出す必要は無いにしろ、
今までとは少し違う部分の脳を使う必要があると感じた。
そして社会の変容のさまを、少し立ち止まり歩調を緩め、
見極めたいという焦燥に駆られた。

そんなタイミングで、
体育館の改修設計はスタートし
今まさに作業の中核位置に差し掛かっている。
もう一つ、保健所の内装改修もそろそろ纏めなければ。

体育館と保健所
何となく、ワクチン接種という共通項でくくられそうな2案を抱え
コロナはもちろんの事、風邪などひく暇などない。
加えて花粉の季節、緊急事態宣言がどうなろうと外出などしようものなら
目が痒くなり仕事にならなくなる。

花粉症の小さな事務所を営む設計士には
ただただオアトリエに篭る日常が続くだけである。

マイクロフィルムのロマン

改修やリノベーションの仕事が続いています。

今お手伝いしている建築は30数年前の竣工、京都を中心に活躍された富家先生の設計によるもので、
もちろん、当時は手書きの図面だったわけですが
マイクロフィルムに残されたその図面も設計も共に素晴らしく、
改めて、設計図というものは次世代へ伝承するものだという事を実務を通じて痛感しています。

また、残された図面から様々な事を想像し
新しい手法を加えた図面を、また我々が残していく_と考えますと、改修というどちらかというと地味な仕事も、なかなかロマンがあって奥深いものです。

最近の建築家は、先人達に敬意を表すると同時に
自身を含めもう少し図面に重きを持って仕事をしないといけないですね。
CAD技術が進んだとは言え、AIに取って代わられる時代に
少しでも軌跡を残しながら、進みたいものです。

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初秋

その大きく茂った栗の木は
電線の上までぐんぐん伸び(まぁそれは良しとして)
梅雨を迎える季節になるとなんとも迷惑な匂いを発する花を下げる

栗の花をご存知だろうか?
葉と同様、少々身勝手な形態で、
デレっとドレットヘアのように垂れ下がった雄花の奥に小さな雌花を付ける

「どこでどう変わるのか?」

昼の日差しががようやく傾き、やっと涼しい風が吹く頃
いつの間にか白い雄花は消えていて
緑の丸い実を付ける

「全く不思議な変容」

秋になると毎年の光景
家の前の古く細い集落の街道に“わんさか”と毬栗が落ちている

そのまんまるい毬栗の形の可愛さと
小さく覗くツヤのある実に

夏場のむせかえる悪臭や
夜、栗木に集まる害虫達の事も忘れて
思わず手に取り微笑んでしまう

もう半月もすれば落葉の季節

そろそろ冬の準備を始める合図でもある

栗の絵

15年目の本質

もともとは大きな建築を世界中に作りたいと思い
名だたる建築家に弟子入りをし、この仕事を始めたのですが
最近はもっと、別の次元といいますか
建築の本来の役割のような“ところ”に思いを置いています

この秋、独立して15年が経ちました

弊社の場合は、どちらかというと採算性には縁遠い仕事の取り組み方をするので;;

それこそ完成件数は多くありませんが
今までご指名いただいたお客さま全てのみなさまと本当に楽しくお付き合いをさせていただいております
企業であれば、いつの間にか退職される方もいらっしゃいますし
個人オーナーであれば、そろそろ増築を考えられているお客さまもいて
まだまだ15年ではありますが、確実に月日は流れているのですね

結局、自分は建築を通して“何”を残したいのか_
仕事上の様々な課題を解くヒントは、
其処にあるのでは?と昨今思ったりしています

写真は、飛島の家のお客さまの2人のお嬢さんたち
こちら
大人たちの建築を作る上での様々な喧騒や紆余曲折、
それらの会話や表情を通して
彼女たちは色々な事を見聞きし、感じ得るものがあったのだと思います

そして今、大人たち以上に
完成間近となった建築を楽しんでいるのかもしれません

彼女たちが大人になった時
私はまだ建築に向き合っているのかしら?

飛島の家はもうすぐ竣工を迎えます
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掲載メディアのお知らせ

デザイナーズFILE・2018

今年もこちらに→「デザイナーズFILE」に作品を掲載していただいています。
書店では3月10日より大型書店に並ぶとの事です。
今年は、昨年竣工いたしました住宅→湖国の家が掲載されています。
店頭でお見かけになられましたら、是非ページを開いてチェックしてみてくださいね。

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2018・1・1

あけましておめでとうございます。

2018年がスタートいたしました。
事務所のある大津市は
比較的暖かで穏やかな元旦となりました

さて今年はどんな一年となりますでしょうか?

昨年も色々な方のお力を借り
2つの建築の完成と、実施設計の完了、
秋口にはプロポーザルの参画をさせていただきました。

また昨年よりお客さまとお話しを進めてまいりました
愛知県の比較的大きな住宅建築が新春早々1月に着工致します。

合わせてリノベーションの計画を進めてまいります。
また、老朽化した建築のコンバーション等も
積極的にアプローチして参りたいと思っております。
今年取り入れたい形態としましては
軒のある趣、日本やアジア諸国を意識したディテールラインを
取り入れていきたいと考えております。

建築を通して見た1年は
短いようで様々なプロセスが訪れ
今年もまた
それぞれのお客さまと歩幅を合わせ、
ご意見をお聞きしながら
ひとつひとつ丁寧に進めてまいりたいと考えております。

さぁ今日からまた一年
みなさまと共に、楽しい一年となりますよう
新年のごあいさつとさせていただきます。

2018年 元旦
もちづききょうこ

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夏の暑い一日

2017年8月6日_8時15分

台風5号の影響で朝から猛烈な暑さ
日曜日ということもあり、あたりは静かで
セミの鳴き声と窓から差し込む強い日差しが
特別な夏の1日ということを掻き消すようだ

NHKでは、慰霊祭が行われている
今日の3日後に長崎
そしてその一週間後に終戦記念日
毎年繰り返されるこの時系列

そして72年前の今日も、その事があるまでは
ごくごく普通の夏の一日だったに違いない

今年79歳になった母は
当時は小学校に入ったばかりで
学校の校舎に軍人が来て威張ったり騒いだりしていたのが
すごく嫌だったらしい
そして防空壕に入った話や、玉音放送を家の縁側に面した広い廊下で
家族全員で正座して聞いた思い出を
毎年この特別な同じ日に繰り返す

それをただ黙って聞く私は
そんなに昔の話ではないなぁ〜とまったく昨年と同じように感じ
そう1945年なんて、まだそれほど歴史っていうほど昔ではないし
やはり自分の親から直接そういう話を聞くという日常さが
時間の距離を縮めているのであろう
それと、
自分が生まれた20年前まで戦争があったという
20年という時間が、50歳を過ぎた自分にはとても短く感じる

この地球で、唯一日本だけに
72年前のたった10日間の出来事

世界中にどの国だってわかるはずがない、
この何とも言えないモヤモヤとした時間の不確かさの中、
流れる日常・今を生きる私たち
こうしている間も産声をあげて産まれてくる子供達・消え行く命

私たちにしか残せない何かが必ずあるような
毎年毎年そんな事をふっと
セミの喧騒と共に頭をよぎり
今日も夏の暑い一日が始まる

夏

春の景色

桜の便りが待ち遠しい季節
琵琶湖を望むための住宅が竣工しました。
この住宅のオーナーと初めてお会いしたのは2015年の5月でしたから、
おおよそ2年の時が流れたことになります。
土地のご購入計画からのお付き合いでしたので、
2年の年月は早く事が運んだほうかもしれません。

並行して進めてまいりました、ガレージ建築が間もなく着工いたします。
昨年完成したオフィスビルの隣地が計画地となります。
同じオーナーから引き続きオファーをいただけるという事は、大変名誉な事です。
こちらの建築は、フォルムと素材に特徴をもたせたシンボリックな小建築となる予定です。

ご相談をいただいておりました、二世帯住宅の建築設計がスタートいたします。
競争率の激しい分譲地の角地を入手され、
来年の早春完成を視野に入れた御計画です。
手元のスタディはMOAらしいキリッとしたボリューム構成で、
シンプルな動線と形態が美しい住宅建築を目指しています。

 

本年度進行中の作業を改めて俯瞰しますと
昨年度までと相変わり、住宅建築の比重が増えてきております。
住宅建築はビル建築に比べ、多くのノウハウを必要とされる反面
自由な形体にチャレンジ可能な分野でもあります。

多くの建築家の名作は住宅建築にあり、
そこには本来の建築家のテイストが詰め込まれているように思えます。

私自身、若い時に見た景色とは違う見え方で建築が見えてきている気がします。

 

今年の大津市の桜の開花は例年より遅く、また雨模様の天候が多いことも重なり
コントラストが弱めの景色が続いております。
そんなまだまだ不安定な天候の下で
精一杯花びらを広げる様も、非常に趣のある美しさを醸し出しています。

 

写真は、昨日の琵琶湖疏水
自然の美しさと時の大切さが身にしみて感じ得る年齢になってきたのかもしれません。

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[琵琶湖側から疎水を見る・三井寺の山桜の下、京都に向かう水路]

継続する力

正月気分もすっかり冷めて、進行中のプロジェクトも本腰入れて『よーし!行くぜ!』という時期に毎年のごときやってくる、官庁の指名願いの提出日。

弊社のように小さな規模の設計事務所には、大型建築や華やかなプロジェクトの入札は望めないのですが
滋賀県で事業を開始し、権利を得た平成25年から指名業社として登録を続けています。

独立する前に勤めていた高松伸建築設計事務所では、毎年多くの都市や市町村に指名を受け公共事業にも積極的に取り組んでいました。
1月〜2月にかけて、事務系のスタッフ数名がテキパキと書類をまとめ全国に提出に行っていた様子を見ていたので
自分の事務所を持ったら、必ず官庁建築にチャレンジしよう!と心に決めて今に至ります。

4年前にひとつ小さな仕事を落札した後は、
官庁建築まで手が回らずに(非常にありがたいことに)入札どころでは無い日々が続いております。

毎年毎年、今年は指名願い提出をどうしようかなぁ?と思います。
納税証明・建築士の証明書の発行・社会保険の書類の提出・諸々書類の記載など
なかなか時間とお金が掛かる作業なのです。

ただ、この書類を作ることによって
毎年企業としてキッチリ税金を納め、講習を受け続け
建築士事務所の登録義務を果たし、社会に参画しているのような自負と
どのような類の建築であっても、受注のチャンスを持ち続けることの意思は不可欠と考えます。

建築とは、常に社会と歩んでいく産物
そして、法律とその基軸を担う官庁とは切っては切れない業務です。

役所の指名を受ける権利を継続し続けることで
いつか来る大型物件???に備え、空のはるか遠くにある夢を追い続ける建築家の独り言でした。

もちづき

 

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[写真は琵琶湖上空の飛行機雲_1月の晴れた日に]