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賢者の贈り物

1ドルと87セント。これですべて。

誰でも一度は見聞きしたことのある、オー・ヘンリーのかの有名な物語の冒頭文
『賢者の贈り物』

この物語は、若き夫婦が自らの唯一の宝物を売って相手に贈り物を買うお話

男性は妻の美しい長く輝く髪に似合う、宝石の施された高価な櫛を
妻の方は夫の唯一の宝物である金の時計に相応しい、純金の鎖を

貧しい二人は
それぞれが、金時計と自慢の黒髪を売ったお金で贈り物を買ったのだった

贈り物を手にした2人は
手放した金時計を買い戻すべく、失った黒髪が伸びるまで
2人で未来を築くことを誓う

この物語の解釈はあまりにも多く、各々読み手側の受取り方があるのだろうが
お金という物は、愛と未来を作るために使う為の物だ_とも
諭しているように思える

 

 

友人の敏腕経営コンサルタント・杉田英樹さんが年に数回開催する『桜橋勉強会』
昨日のテーマセブン&アイはどこに向かっているのか?に参加した
経済と社会で起きている事象から今を学び未来を考えることで、人生を楽しく生きよう_という勉強会(で良いのでしょうか?杉田さん?)
以下は勉強会で考えたこと

 

海外の多くの観光客が、その利便性と品質と品数・接客態度の素晴らしさ等等
絶大な賞賛を浴びている日本のコンビニ

最近コンビニの有り様が変わってきたらしい

私達の短なコンビニ(特にセブンイレブン)が何だか最近あちらこちらに増えだした
どうもドミナント戦略によって儲かる地域に集中して
フランチャイズ店を開店させているようだ
向かい通しでお客の取り合いなんて、なかなか過酷な状況だ

オムニチャネルとは、あらゆる場所で顧客と繋がり
買い物を促すシステムのようだ
どうりでネットで購入した商品をコンビニで受取りが可能だし
百貨店に行かなくてもコンビニで支払いができる時代
ピピっとタッチしたカードから私たちの情報はどこに行くのだろう
素早くメールで利用履歴が送られてくる

反面、西武やそごう・イトウヨーカドーの閉店ドミノ
セブン&アイ グループは、『セブンイレブン以外は切り捨て』策で
百貨店とスーパーの減収分は、セブンイレブンの肩にのしかかる

かつての高級百貨店の行き届いたサービスは、
場所を変えて、私たちの町のコンビニエンスストアに急降下してきた

サービスとは言い方を変えればワガママの変換
コンビニは私たちと経営陣の都合のいいカタチになっているのではないだろうか

本当にそこまでのサービスが必要なのかな?
そのカタチって綺麗なのかな?
買い手と売り手の双方が幸せになって、本当の笑顔が生まれる

利便性は度がすぎると人を追い込むと誰かが言った
それは自らのビジネスにも置き換えることのできる設問でもある

 

私たちの未来は幸せですか?

売り手も買い手も時代が変わろうと
絶えず賢者の目を持っていよう

愛と未来と幸せは私たちが築くものだから

もちづき

 

 

ビジネス勉強会の様子はこちらから>>>ゼータコンサルティング株式会社

2017

算法少女

サンポウショウジョ・・・AKBとかNMBといったアイドルグループのヒット曲にありそうなフレーズですが
そうではありません。

友人のアニメーション作家・外村史郎さんから、
映画『算法少女』のロードショウが行われるとの連絡をいただいた。
数年前から(2009年)アニメーションによる映画制作を行っている様子は見聞きしていましたが
映画制作〜公開というのは、途方もなく労力がかかるものなのですね。。。
プロデューサーの三村渉さんの文章によると、
三村さんの構想〜高野楓子さんによる脚本〜
外村さんが作画に費やした時間が4年〜その後声優の方々によるスタジオ録音〜音楽・効果音の制作
〜劇場での公開に漕ぎ着けるまで、実に構想から7年_というのだから
建築家のみならず、制作者というのは長生きしなければダメな生き物なのね。

外村さんの4年間というのは、精神的に厳しい日々の連続だったと想像する。
制作期間というのは、短くても長くても困るのだ。
建築家もそう。
作家という職業は自分のポリシーと周囲からの有難いメッセージ?と、社会のルールとの狭間の中で
泳ぎもがき苦しむ生業だ。
4年も同じ建築の図面を書き続けられる?

たった一人で書き終えた、というか書き終わらせたその精神力には敬意を払いたい。

ともあれ、そのような優秀な方々の心を動かした原作・『算法少女』を読みたくなった。
それに、そもそも建築家と算法は切っても切れないものであるし
サンポウショウジョ・というフレーズは妙に新しく、心を揺さぶる何かがある。
早速、筑摩書房から発刊された『算法少女』を読み始めた。
著者は、遠藤寛子さんである。

舞台は江戸
遠藤寛子さんの描く、江戸の町の描写は素晴らしい。
背景に少女たちの手毬唄が聞こえ、町民の話し声がすぐそこから聞こえてきそうな。
大阪と東京(江戸)との算術流派の争い、この時代の庶民の学びに対する思いなどが見え隠れし、面白い。
主人公の少女 “あき” が算法をまとめた本の名前が『算法少女』であり、
後々この本が大きな役割を果たすことになる。。。

っと、あらすじはこのくらいにしないと映画関係者に怒られてしまう。

12月24日(土)〜28日(水)プレミアム上映
渋谷・ユーロスペース内ユーロライブにて

是非、全国で上映してもらいたい
もちづき

公式サイトは こちら>>映画 算法少女

sanpousyoujyo

[映画に関するお問い合わせ→制作工房:赤の女王 redqueen@xr.oops.jp]

Warming soul

11月の終わり
樹木の落葉と共に、今年一番の寒波がやってきた

あまりにも体が冷えきってしまった土曜日の夜、
現場監理から帰り今年初めて薪ストーブに火を入れた

今動いている現場は山手にあり、
まだ外壁仕上げを行う前なので
夕刻になると現場で働く職人さんたちには
寒気が身にしみる季節となる

今年は、2つの建築が竣工し
来年発刊される雑誌にも掲載いただける事となりそう
建築をひとつ完成させ、施主に引き渡すまで
それはそれは様々な試行が繰り返される

今年完成した2つの建築もいろいろな出来事があり
都度御尽力いただいた施主・施工会社の方々や、
苦労していただいた現場の職人さんたちの顔を思い出しながら
チラチラ揺れるストーブの火を見ていると
つい、数ヶ月前の事ながら
遠い昔の記憶のような、ほろ苦くも暖かい気持ちになってくる

私たちは、図面を書き現場監理を行って報酬を得ているのだが
金銭面には代え難い、人との触れ合いがある
またこの仕事は、それ無くして成り立たない

薪ストーブの暖は、電気やガスの暖かさとは深みが異なる
それこそ、心の底まで暖かくなるような

残念なことに、着火して薪を入れるという作業は
時間にゆとりがある日の特別な行為であり
日々の生活は空調機の渇いた暖房に頼りっぱなし
本物の火で寛ぐ時間を、まだまだ簡単に作れる身分ではない

年末に向けて
事務所の机の上には次から次へ書類が重なる
そろそろ年末調整の提出書類の締め切りも近いなぁ
リモコンのスイッチ一つで温風が出る事務所へ戻る

明日あたりからの現場へは厚手のダウンを持参したほうが良さそうだ

もちづき

 

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[リビングの薪ストーブ]リビング写真>>こちら

落葉と剪定

大津の住まいはこの季節になると、風が吹く度にワサワサと落葉が舞い落ちてくる。
ナツハゼから始まり、ヒメシャラヤマボウシアジサイといった順に落葉した後、
裏山のカエデが最後の秋の主役_今日あたりから、カエデがチラホラ舞い始めたところ。
このカエデの落ち葉は、屋根に裏通路に数日間で10センチほど積もることとなり、
今から朝の掃除が憂鬱になるぐらいの労働を強いられる。

ナツハゼヒメシャラがほぼ落葉した頃、毎年バラの剪定を行うことにしている。
まだまだ四季咲きの品種は秋バラの蕾をたくさん付けてはいるが、
来年の春バラの体力を蓄えさせるために毎年早めの剪定を行う。

植物の凄いところは、紅葉の後落ち葉となる葉の裏にはチャッカリと新芽が隠れているところだ。
私はこの季節に生物のたくましさを強く感じる。

バラもそう。来年の春伸びる芽の先が、この時期にはすでに枝から顔を覗かせていて
どの芽を残して新枝として伸ばすかを想像しながら深めに枝を落とす。
根の周りに枯れ落ちたバラの葉は、しっかりと掻き集め、残さないようにする。
よくよく見ると、虫が葉の裏にシッカリ卵を産み付けていたりするからだ。
葉の裏に隠れて風や寒さから身を守り、土が暖かい季節になると近くの枝に登ってくる。
待ちに待った柔らかい新緑は、毎春この虫たちにまんまと食べられてしまう。
「まぁ、ほとんど無駄な抵抗かぁ。」と半ば諦めつつ枯葉と落葉を掻き集めながら
少し手を休めると、風が冷たい。

さぁ、寒くなってきた。事務所に戻って図面の続きを書かなくちゃ。
私も来るべきシーズンに向けて。

もちづき

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[今年のナツハゼの落葉]

機械仕掛けかクォーツか

出張のついでに寄った駅の書店で、penという雑誌を手にしました。
タイトルは、「最初と最後の腕時計はどれだ?!」腕時計の特集です。

腕時計好きな私は、黒スーツ出張族のおじさま方をかき分け
男性雑誌コーナーから雑誌を引き抜きレジへ。
各々のブランドの歴史や、代表作品の写真など盛り沢山の紙面構成で
新幹線の移動中、有意義な時間が過ごせました。

ムーブメントは「機械仕掛け」がやはり面白いですね。
日常生活に全く必要無い?クロノメトリー・コチコチと目まぐるしいほどの動きを表現したタイプは
やはり男性の趣味のカテゴリー。緻密な細工はマニアの領域。
とことんこだわるのは、やはり男性のほうが多いようです。

女性用のドレスウォッチやアンティークも
もちろん大好きですが、仕事柄着ける機会が全く無いです。
手動巻きがほとんどなのでケースの中でじーっと止まっています。(苦笑

現場に行く時に着けることの多い、ジャズマスター(自動巻き)レディース物でも重いほうですが
ガンガンぶつけても平気な頑丈さと気軽さがハミルトンの良さ。

打ち合わせで良く着けるのが、エベルのベルーガ(クォーツ)
エベルは「時の建築家」とも呼ばれるブランド。最近のお気に入りです。
こちらもスモールセコンドが付いているタイプなので女性物でも少々大ぶりです。

先日、「機械仕掛け」時計をオーバーホールに出したらそこそこの費用がかかってしまいました。
良い時計はメンテナンスも必要になりますね。
クォーツ時計は重さも軽いですし、オーバーホールも傷がなければメンテナンス費用もそれほどかから無いので日常的に必需品。
機械仕掛けの時計もクオーツ時計も機能性と意匠性で選ばれる_という点では、建築設計と同じかもしれませんね。
あまりメンテナンスに費用がかかるのも困りますが、機能だけというのも味気ない。

そんなことを考えながら雑誌も見ておりましたら、目的地にあっという間に到着しました。

ちなみに、美しく機能的な時計はやはりそれなりに高価な物が多いのですが
数十億数百億もする時計が世の中には多くあるようです。それって、建築ビル施工費レベル?!

人生を共に刻む時計。やっぱり自分らしい物を持ちたいですね。
私の「最後の腕時計はどれだ?!」

やっぱり「機械仕掛け」かな?

もちづき

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[写真は、pen12月1日号から]

14年目のスタートに向けて

サイトをご覧いただきありがとうございます。

11月に入り、新しいスタイルに変更いたしました。
まだ、新しいフォーマットに慣れず苦戦しておりますが
作品や文章の投稿も少しずつ手を加え完成できれば良いなぁ、、、と思っております。

会社を始めホームページを作った頃、ブログを書いていました。

その頃はまだTwitterやFacebookが無い時代で
ネットコミュニケーションは今に比べまだまだ小さな世界でしたが、
自分なりに仕事の事や、関心のある事などをゆるゆると発信していた頃を思い出し
それと、何よりあの頃の自分を懐かしんで
この度の更新により「Blog」欄を設けてみました。

あの頃の自分・・・設計事務所を突然辞め、右も左もわからぬまま
事務所を立ち上げ会社を見よう見まねで作り、毎日が模索しながらの日々の連続でしたが
その時の志しと空気感のようなものは大切にしたいと思っております。

「ブログ」という音(いん)もどちらかというと照れ臭く
新しい何かがあるわけでも無いのですが
昨今のSNSやネット配信のとてつも無い無秩序さと短いテキストの羅列にどっぷり浸かってしまう前に
また始めようと思います。

14年目の秋_少し曖昧な季節に。

もちづき

testsky
[写真は事務所2階から]