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湖国の家

住宅の竣工に寄せて

敷地は同規模の戸建てが並ぶ、閑静な住宅団地の中核にある

日本の住宅団地の特徴でもあるが、
玄関・小さな庭とパーキング
おしなべて同じような大きさの住宅が立ち並び
(道路を挟んでお向かい同士の玄関が互い違いに並ぶような・・・)

ほとんどの住宅会社やオーナーは
その限られた敷地条件の中で間取りや部屋数などに重きを置き
地域の風景や特徴といった要素は
住宅計画においてどちらかというと重要視されにくい

月がどちらから見えて風がどちらから吹くのか?
家族の気配はどのように感じられるのか?
子供の頃は誰もがそのような些細なことに敏感で
そんなちっぽけなことを幸せに置き換えたりした
今思うと、その頃の情景は何にも代え難く
家はたえず記憶の断片に見え隠れする背景であったかのように思える

朝起きて顔を洗い
飲み物を取りに冷蔵庫に向かう
仕事から帰り家の電気をつける
お風呂の湯を沸かす間に簡単な夕食を準備する

雨の日も風の日も続くその営みの為の空間動線の配置に
最大の神経を集中させた
具体的には、スキップフロアー・センターにある小さなホールから
いつも琵琶湖上の景色が垣間見えるよう
一貫してその景色の抽出の為に
この家はつくられたといっても過言ではない

3月竣工のこの住宅の近郊でも、そろそろ桜が開花の頃
春の風や湖の色合いは
新しいこの家のオーナーにどのような情景をもたらしているのだろうか

MOA_望月協子

敷地面積:208,88㎡/延床面積:127.52㎡/木造 地上2階 住宅
設計協力:新町設計(構造担当・前原大樹)株式会社 幹設備設計事務所(電気担当・伊勢田昌史/設備担当・倉井雅史 )
建築施工:株式会社 田中工務店(現場担当・穴尾紀之/新井雅人)

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Date
  • 2017年3月31日
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