キラリ
キラリ・ウェディングプロジェクト
さんいんキラリという雑誌をご存知だろうか?
山陰の仕事に幾つか携わった高松伸建築設計事務所・勤務時代に、成相修さんに出会った。
山陰地方の建築関係者には非常に知名度がある方で、自ら建築風土記研究会を立ち上げ非常に精力的に活動されていた。
それだけに留まらず、さんいんキラリという雑誌の企画・出版社の代表を務められていた。
私は、2004年に高松事務所を退職し独立する事になるのだが、その後も何かと気にかけていただき
『ウェディング建築を考えてみない?』とのご連絡を受けた。2007年頃の事だったと思う。
彼の話は、こうだ。『島根や鳥取って海も山もすごく景色が綺麗なのに、ありきたりの結婚式場って勿体無いよね。自然の中で、好きな場所で結婚式をあげる方が楽しいよね。』
彼らしい発想だ。私は、簡素なフレームの軽いアルミ材を組み立て(自家用車に積んで花嫁と花婿が2人で組み立てる事のできる)好きな時に好きな場所へ建築可能なチャペルの提案を行った。愛する二人にはお涙頂戴の演出よりも、緑のざわめき、鳥達のさえずり、そんな祝福の調べが似合うのではないか。
成相さんはそのアイデアを実現しようと、わざわざ松江市から打ち合わせに来てくれた。
その時まだ、私は現在のオフィスを建設中で京都の小さなマンションで仕事をしていたのだが
その日が、成相さんとの最後の打ち合わせとなってしまった。
彼は急遽、この世を去ってしまったのだ。
このアイデアは、非常に斬新で時代にあっていると私は思う。
彼に捧げるプロジェクトとして、今でも設計書は保管している。
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Date
- 2016年9月8日